2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
2-1章.マネジメントとは終わりのない活動のこと 人事を尽くすことが 人生の目的でなければなりません 与謝野晶子 (1878~1942) 第一部で検討してきたサプライチェーンの「マネジメント」について少しおさらいしておきましょう。 SCMは限りある経営資源を…
第二部.SCMからの助言:実践のために ~「うちにとって」何ができるのか?~ Nothing is final !!! 銭学森(1911~2009) Impossible is nothing モハメド・アリ (1942~2016) Nothing is impossible バラク・オバマ (1961~) 第二部では、設定した仮説の…
1-4-3-4.これまでできなかった評価 ここまで見てきたような特徴や性質を考慮するとサプライチェーンに関連する各機能工程などのプレイヤーの評価にこれまでとは異なる評価方法を導入することができれば、より公正で公平な評価が実施できるのではないかと思…
1-4-3-3.評価するときに区別すべきこと 評価方法が不公正になってしまっていることのもう一つの側面としては、評価対象を適切に「区別」して評価できているかというものです。 ここで取り扱う区別にはいくつかの種類がありますが特徴的なものをいくつか上げ…
1-4-3-2.相対評価と絶対評価 封建制のもとで功績に応じて分配されるものは土地=石高という現在でいうと土地やお金に相当する目に見えて計算できるものでした。現代のサプライチェーンにおける評価で得られるものは何でしょうか? やはりそれは目に見えて計…
1-4-3.不公正な評価方法 目標値が少なくともその設定時点では妥当で達成可能なものとなってたとしても、結果の検証やそれによる評価が適正なものとなっていなければ片手落ちということになります。そもそも人間が人間に対して正しい評価を下すことなどでき…
1-4-2-4.目標値の立て方、検証方法 矛盾を含まず対応策によって達成可能な目標値を設定するためには、 「1-3-2-5.目的・用途に応じたパーツの組み合わせのモデル化」および「1-3-3-4.対応方針に応じた影響と対応策のモデル化」の項で検討してきたようなサ…
1-4-2-3.目標値の不備による悪影響 目標値自体に矛盾が含まれているということによってどのような事態を招くことになるのか見ていきましょう。 目標値自体に矛盾が含まれているとしたら、それらの目標値のどれかは「必ず」達成できないということになります…
1-4-2-2.矛盾が生じる理由、メカニズム ではなぜこのような目標値の矛盾が起きてしまうのでしょうか?どのようなメカニズムがはたらいているのでしょうか? 例を四つほど見てみることにしましょう。 【 目標値に生じる矛盾の例 】 この図は製造部門において…
1-4-2.矛盾した目標値設定 「1-2-2.超えられない3つの障壁②「ゼロサムの壁」」の項で検討したようにサプライチェーンを構成する各要素は相互に関連、依存しながら全体としては経営資源の制約の中で足し引きゼロになるような「ゼロサム」の関係にあります…
1-4-1-5.本気で挑戦できるのは自分のゴールのみ 自社と他社事例における課題の違いについて検討した結果として自社の課題が明確になったとします。 他社からの借物ではないうち独自の課題が明らかになるだけでも大きな前進です。さらにもう一歩進んで自社固…
1-4-1-4.自社と他社事例の課題の違い:思考プロセス 「違い」を重複なく漏れなく洗い出して整理することがこれから行う作業の目的です。 最初に自分がこれから何をやろうとしているのかを意識しておかないと迷走してしまいます。(少なくとも私の場合は) 違…
1-4-1-3.フレームワークを使った検討方法 自社と他社事例で課題に違いがあるのは当たり前ですよね。 ではその課題の違いはどのような理由によって、どこにどのようなものとして現れるのでしょうか? 少しここで検討してみて実際に自社についてご自身で考え…
1-4-1-2.他社の良策は自社の愚策 ところが、です。 SCMコンサルティングの場面ではクライアント企業様からほぼ毎回と言ってもいいくらいに「他社事例」の提供を求められます。元々外資系コンサルティングファーム由来の方法論(メソドロジー)にも「ベスト…
1-4-1.借物の課題とお仕着せのゴール 「1-3章.SCMの2つの複雑性」で見たようにサプライチェーンはその形も動きもそのままでは理解できないほど複雑なものです。そのような複雑なサプライチェーンが全く同じものとして二つ以上存在するとはとても考えら…
1-4章.課題設定そのものが孕む問題 目的と方針がなければ 努力と勇気は十分ではない ジョン・F・ケネディ (1917~63) この章では皆さんも耳にしたことがあるいくつかの概念を使用します。それらの言葉の定義は微妙にニュアンスが異なる諸説があるようなので…
1-3-3-4.対応方針に応じた影響と対応策のモデル化 「1-3-2-5.目的・用途に応じたパーツの組み合わせのモデル化」の項ではサプライチェーンの形が複雑であることによるモデル化の必要性を検討しました。 その形状の静的複雑性を「骨格標本」にたとえるなら…
1-3-3-3.各パーツ間の連鎖とその評価 変化とその影響によるサプライチェーンの複雑さの元になっている各パーツの連鎖の関係は以下のように相互に接続された関係と言えるのではないでしょうか。 【 変化⇒影響⇒対応策の連鎖 】 変化A⇒原因と結果の連鎖⇒影響⇒…
1-3-3-2.制約による複雑さ このような変化とその影響の相関関係により引き起こされる複雑さに加えて、サプライチェーン上に存在する各種の「制約」によって引き起こされる複雑さという問題もあります。 受動的、能動的な変化の幅にはどちらも自ずと限界があ…
1-3-3.変化の動的複雑性 サプライチェーンを取扱う上では変化が常態であるという前提からすると、その変化を起因として派生する影響やそれにより行わなければならない意思決定における判断材料も極めて複雑に絡み合っていると言えます。 形状の複雑性がその…
1-3-2-5.目的・用途に応じたパーツの組み合わせのモデル化 ここまで見てきたように、私たちが取り扱うサプライチェーンの形には様々な観点による複雑さを内包していてとても一枚に表現できるような代物ではありません。 そこで、今この場面ではどのような目…
1-3-2-4.一枚で表現するための工夫:PSI計画(受払い表) サプライチェーンの形の複雑さは全体と細部を同時に一枚に表現することができるような対象ではないということはご理解いただけたでしょうか。 では、通常需給管理や計画作成に利用されているいわゆ…
1-3-2-3.時間軸に応じた複雑さ これまで見てきた複雑さの原因となっている要素に加えて、PSIでは時間軸に応じてまた一段と複雑さが増すことになります。表現としてうまく実態を表しているかどうかは別として、まず「時系列」というものです。 【 基本単…
1-3-2-2.詳細度に応じた複雑さ ここで検討する詳細度は粒度と言い換えてもいいものです。管理する対象の「粒」の大きさのことです。 「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、木と森を同時に見ることは難しいということがその前提になっていると思われ…
1-3-2.形状の静的複雑性 サプライチェーンの骨格ともいえる形状(かたち)を複雑にしている要因を「範囲」「詳細度」「時間軸」の三つの切り口で見ていくことにします。 これらの要因による複雑さが理解できれば、サプライチェーンの全体を一枚で表現すること…
1-3-1-2.パーツの組み合わせ 基本単位をパーツとしていくつも組み合わせることによってサプライチェーンの「骨格(かたち)」が形作られています。 では組み合わせる時の組合せ方にはどのようなものがあるのでしょうか。それがそのまま骨格となる形の複雑さの…
1-3-1.なぜサプライチェーンは複雑なのか? 私たちが対象として取扱うサプライチェーンはなぜ複雑なのでしょうか?複雑とは何がどうなっていることを意味しているのでしょうか? サプライチェーンはPSIの三つの要素をセットにした基本単位とそれらの組み…
1-3章.SCMの2つの複雑性 複雑なシステムには精神が芽生える グレゴリー・ベイトソン (1904~80) サプライチェーンは多数の異なる構成要素が複数組み合わされて構成されていて、それらの相互作用によって互いに影響を与え合うことで全体の動きが決定され…
1-2-3-5.失地回復を求めさせないためには おカネやそこに直結する数値に関しては比較的単純で「損得の収支を合わせる」ということに尽きるのではないかと思います。 しかしそう簡単にはいきません。単に損得の収支を合わせることによって効果が相殺されてし…
1-2-3-3.既得権を失うことの意味 安定した環境が続けば変化する必要性が低く現状を維持することが目的化されると言えるでしょう。 しかしひとたび変化が起こればそれに対応したり順応したり何らかの変化を起こすことが必要となる場合があります。 起きる変…