1-2章 超えられない3つの障壁
1-2-3-5.失地回復を求めさせないためには おカネやそこに直結する数値に関しては比較的単純で「損得の収支を合わせる」ということに尽きるのではないかと思います。 しかしそう簡単にはいきません。単に損得の収支を合わせることによって効果が相殺されてし…
1-2-3-3.既得権を失うことの意味 安定した環境が続けば変化する必要性が低く現状を維持することが目的化されると言えるでしょう。 しかしひとたび変化が起こればそれに対応したり順応したり何らかの変化を起こすことが必要となる場合があります。 起きる変…
1-2-3.超えられない3つの障壁③「既得権の壁」:生物的原因 リチャード・ドーキンスの「利己的遺伝子論」によると、生物は遺伝子に操縦されている乗り物(ヴィークル)に過ぎず、個体の利己的あるいは利他的行動は遺伝子が種として存続していくために自己複製…
1-2-2-5.部分不最適=損することを受入れられるか? ゼロサムという視点からSCMを見ると全体最適はこのような式として表現できます。 全体最適=部分最適+部分不最適 全体というのは全員(everyone)や全部(all)という意味ではなく、「全体としては(overa…
1-2-2-3.優先順位と取捨選択 サプライチェーン上の部分的変化は結果として否応なく経営資源のゼロサムの関係から逃れることができない。 だとすると、総和の変わらない経営資源を、部分的変化に対応する何らかの対応策として再配分させるために、相対的な優…
1-2-2.超えられない3つの障壁②「ゼロサムの壁」:構造的原因 「1-2-1.超えられない3つの障壁①「時空の壁」」の項では、物事の変化は必然でありまたその変化は前もって完全に言い当てることはできないということをみてきました。 完全に言い当てることは…
1-2-1-6.需要予測が「当たる」とはどういうことか? 一昔前まではどの製造業の計画部門にもこの道何十年という大ベテランの計画や需給の担当者の方がいらっしゃって、ほとんどの場合の需要の予測がある程度の正確さで出せているということが多々ありました…
1-2-1-5.需要予測の方法 SCMにおける需要予測は、大数の法則が適用できない不確実性を扱う予測だと述べました。 では現実に行われている需要予測はどのような方法で行っているのでしょうか?未来をどうやって見通すのでしょうか? 需要予測における統計…
1-2-1-4.SCMの必須アイテム③:予測 これまで見てきたように、需要者と供給者が異なるということに起因する需要と供給の不一致、まだ起きていないこととしての予定と既に起きた結果としての実績の不一致はいずれも誰にとっても避けることのできない前提事…
1-2-1-3.SCMの必須アイテム②:在庫 二つ目の道具が「在庫」です。 たとえば「在庫削減」だとかフードロスなどの「在庫廃棄」などが問題となるSCMにとって中心的ではありますが取扱いがやっかいな道具です。これをうまくコントロールしようとする試み…
1-2-1.超えられない3つの障壁①「時空の壁」:原理的原因 世界中の多くの人が知っている日本発のあの作品に登場する、未来から来た例の二つの魔法の道具があればSCMの課題はほぼ解決することになるでしょう。 かのアルバート・アインシュタインの思考実…
1-2章.超えられない3つの障壁 かつて起こったことは、これからも起こる 太陽の下、新しいものは何ひとつない 『コヘレトの言葉』 まずは絶望的な話から始めます。 どんなに努力してもそれ自体は決して超えることができない3つの壁についてです。 しかし、…